せんぶり (千振)
学名 |
Swertia japonica var. japonica (Ophelia japonica) |
日本名 |
センブリ |
科名(日本名) |
リンドウ科 |
日本語別名 |
トウヤク(当薬) |
漢名 |
日本當藥(ニホントウヤク,rìbĕn dāngyào) |
科名(漢名) |
龍膽(リョウタン,lóngdăn)科 |
漢語別名 |
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英名 |
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2006/10/28 薬用植物園 |
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2023/11/09 同上 |
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辨 |
センブリ属 Swertia(獐牙菜 ショウガサイ,zhangyacai 屬)には、世界に約150-170種がある。
S. alternifolia ヒマラヤ産、『週刊朝日百科 植物の世界』3-50
S. angustifolia
var. angustifolia(狹葉獐牙菜) 江西・福建・兩湖・兩廣・雲貴・ヒマラヤ・インドシナ産
car. minor(S.vacillans;華南當藥) 『全國中草藥匯編 上』p.480
var. pulchella(美麗獐牙菜)
産地同上 中国本草図録』Ⅷ/3753 『全國中草藥匯編 上』pp.479-480
アリサンセンブリ S. arisanensis(阿里山獐牙菜) 臺灣産
S. bifolia(S.heterantha;二葉獐牙菜) 陝甘・青海・四川・チベット産
アケボノソウ S. bimaculata(Ophelia bimaculata;獐牙菜・雙點獐牙菜・大苦菜)
タイワンセンブリ S. changii(大漢山當藥)
チレッタソウ S. chirayita ヒマラヤ・アッサム産 インドで薬用
S. davidii(川東獐牙菜・魚膽草) 兩湖・四川・雲南産 『全国中草葯匯編』下/338
S. decora(觀賞獐牙菜) 四川・雲南産 『雲南の植物Ⅱ』222
S. delavayi(麗江獐牙菜・靑葉膽) 四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅴ/2255
ツリハコベ S. dichotoma(Anagallidium dichotomum;岐傘獐牙菜・腺鱗草)
遼寧・吉林・黑龍江・華北・湖北・西北・モンゴル・シベリア産
S. diluta(S.chinensis, Ophelia diluta, O.chinensis)
マンシュウセンブリ var. diluta(北方獐牙菜・當藥・淡花當藥・水黃蓮)
遼寧・吉林・黑龍江・内蒙古・華北・陝甘・青海・四川産 『中国本草図録』Ⅴ/2256
イヌセンブリ var. tosaensis(S.tosaensis, Ophelia tosaensis;日本獐牙菜)
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・華北・青海産
アカボシアケボノソウ S. erythrosticta(紅直獐牙菜・紅直當藥)
河北・山西・内蒙古・甘粛・青海・湖北・四川産
S. heterantha (烏金草) 陝西産 『全国中草葯匯編』下/160-161
S. japonica
センブリ var. japonica(Ophelia japonica;日本當藥)
ヒロハセンプリ(ハマセンブリ) var. littoralis(var.latifolia) 伊豆半島・伊豆諸島産
S. kingii(黃花獐牙菜) チベット・ヒマラヤ産 『中国本草図録』Ⅷ/3754
ニイタカセンブリ S. macrosperma(S.randaiensis;大籽獐牙菜)
臺灣・廣西・湖北・四川・貴州・雲南・チベット産 『雲南の植物Ⅰ』226
シマアケボノソウ S. makinoana 琉球産
S. marginata(膜邊獐牙菜) 新疆・カシミール・モンゴル・シベリア産 『中国本草図録』Ⅷ/3755
S. mileensis(靑葉膽・彌勒獐牙菜) 雲南(彌勒)産 『(修訂) 中葯志』IV/450-454
『植物智』によれば S.leducii(蒙自獐牙菜)のシノニム
ソナレセンブリ S. noguchiana(Ophelia noguchiana) 伊豆下田・新島産
S. perennis
ミヤマアケボノソウ subsp. cuspidata(S.cuspidata) 北海道・本州中部以北・千島・樺太産
キタミヤマアケボノソウ subsp. obtusa(S.stenopetala)
ムラサキセンブリ S. pseudochinensis(Ophelia pseudochinensis;瘤毛獐牙菜)
『中国本草図録』Ⅸ/4297
S. punicea (紫紅獐牙菜・紫紅當藥・苦膽草・草龍膽・靑葉膽)
兩湖・四川・貴州・雲南産 『雲南の植物Ⅱ』223 『全國中草藥匯編 上』p.480
シンテンアケボノソウ S. shintenensis(新店獐牙菜) 臺灣産
シノノメソウ S. swertopsis(Ophelia umbellata, Swertopsis umbellata)
伊豆半島・四国・九州産 牧野富太郎命名
ヘツカリンドウ(リュウキュウアケボノソウ) S. tashiroi(Ophelia tashiroi, Frasera tashiroi,
S.kuroiwae) 九州・琉球産
チシマセンブリ(広義) S. tetrapetala(Anagallidium tetrapetalum, Ophelia tetrapetala,
Frasera tetrapetala)
subsp. tetrapetala 北海道・千島・樺太産
チシマセンブリ(狭義) var. tetrapetala
エゾタカネセンブリ var. yezoalpina
subsp. micrantha 本州中北部産
ハッポウタカネセンブリ var. happoensis
タカネセンブリ(ヤケイシセンブリ) var. chrysantha
トウザンセンブリ S. tozanensis(塔山獐牙菜・高山當藥) 臺灣産
チョウセンアケボノソウ S. veratroides(藜蘆獐牙菜) 朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産
S. yunnanensis (雲南獐牙菜・雲南當薬・滇靑葉膽・靑葉膽)
四川・貴州・雲南産 『雲南の植物Ⅰ』226 『全國中草藥匯編 上』pp.479-480
S. zayuensis(察隅獐牙菜) チベット産
var. flavescens(黃花川西獐牙菜・黃花藥藥) 『中国本草図録』Ⅸ/4296
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リンドウ科 Gentianaceae(龍膽 lóngdăn 科)については、リンドウ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ千振ノ意ニテ其物ヲ千遍振リ出ストモ尚苦キ故謂フト云フ、又たうやくニハ當藥ト書ク、是レ藥ニ爲ルト云フ意味乎」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
『大和本草』胡黄連の条に、「千振{センフリ}トテ秋白花ヲ開キテ葉細ニ味甚苦キ小草山野ニアリ、又タウヤクト云、國俗是ヲ好ンテ用之、殺レ蟲消レ積、コレヲ胡黄連ト云、非ナリ、或曰倭方ニ胡黄連トカケルハ皆センフリヲ用ユヘシト云」と。 |
日本における別名の当薬(とうやく)は「有効な薬」の意だが、誤用。すなわち今日の漢名を當藥(トウヤク,dāngyào)というものは、マンシュウセンブリ Swertia diluta(Ophelia
diluta)。 |
説 |
北海道西南部・本州・四国・九州・朝鮮に分布。
埼玉県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)。 |
誌 |
日本では全草を薬用(苦味健胃薬)にし、室町時代から用いてきた。
今日の日本では、生薬センブリ(当薬)は センブリの開花期の全草である(第十八改正日本薬局方)。
中国の當藥はムラサキセンブリ。ただし、センブリ(日本當藥)の薬効は中国でも注目されており、『全国中草薬匯編 上』p.909 に記述がある。 |
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